カンボジアのアニミズム
カンボジアに今も生きているアニミズムについて、見てみましょう。
カンボジアの住民の95パーセントは仏教徒ですが、上座部仏教と共に、人びとの生活と精神に、深く根付いているのが「ネアクタ」という、一種の精霊崇拝(アニミズム)です。これは土地神や先祖神で、小さな祠を作って祀られているケースが少なくありません。
●トロット
カンボジアの行事、および伝統芸能には精霊崇拝の精神を組み込んだ類のものが多くあります。例えば、カンボジアのお正月(4月中旬)に催される民俗行事に、「トロット」と呼ばれるものがあります。新年の神々を迎えて、今年の幸福を祈願し、踊りを踊るのです。精霊崇拝(アニミズム)に仏教的要素が加わって形成されたもので、農村の伝統行事の一つです。
●アプサラダンス
アプサラは、神と人間との仲介者という位置づけです。インドでは「水の精」を意味しますが、カンボジアにおいては天女、天使に近い存在として考えられているようです。踊りは、神への祈りとして捧げられます。現在は、国の文化政策の一環として、積極的に育成されています。
かつてのアンコール王朝の都であり、アンコール遺跡群の観光拠点となっている、シエムリアプ市内には、カンボジア工芸技術学校「アーティザンダンコール」があります。カンボジアの工芸品の工房と並び、アプサラダンス教室を見学することが可能です。
アンコール王朝の隆盛と衰退、シャム(タイ)の侵略、その後近代の戦争と略奪、虐殺・・・と、悲惨な歴史を経て、しかしそれでも、活気を取り戻そうとしているベトナムの元気な姿をみると、何か、私たちが失ってしまった大事なものを見ているような気がしてきます。